寺本 利代子 訪問看護師 主任

寺本さんKV

医療から生活へと、看護の視点が変わりました。

寺本さん仕事中

生活に寄り添う訪問看護の魅力

30年ほど看護師として、療養病棟や回復期リハビリ病棟で勤務を経験した後、2024年10月にこちらへ転職をしました。きっかけは、療養やリハビリの現場でやりがいを感じていたものの、年齢とともに体力的にも精神的にも少し無理がきかなくなってきたこと。このままでは仕事が楽しくなくなると思い、変化を求めていました。訪問看護に興味があり、病院とは違う場所で医療や看護に携わりたい、新しいことを学びたいという気持ちが強くありました。最初は不安もありましたが「やってみたい」という気持ちの方が大きかったのです。
実際に働き始めると、利用者さんとゆっくり向き合う時間が格段に増えました。病院では病気を治すことが主でしたが、今は利用者さんの生活そのものを支える看護だと感じています。以前は医療処置の準備がすぐ整っていましたが、今は「どうしたらもっと口から食べてくれるだろう」「好きなものはなんだろう」とみんなで試行錯誤します。利用者さんを第一に考え、ご家族の負担も考慮したケアをチームで行うことに、大きなやりがいを感じています。
寺本さんインタビュー

寄り添う看護で見つけた喜び

病院での経験や知識は今の仕事でも大いに役立っています。褥瘡予防の体位変換の工夫なども、利用者様やご家族に直接お伝えしてサポートできます。以前は患者様とスタッフ間のコミュニケーションが主でしたが、今は利用者様、ご家族、多職種スタッフとの連携が重要で、コミュニケーションの幅が広がりました。訪問看護の仕事は、朝の申し送りから始まり、利用者様宅への訪問、バイタルチェック、全身状態の観察、身の回りのお世話、医療処置など多岐にわたります。病気を治すことから、利用者様の生活全体を支える視点へと大きく変わりました。口から食事を摂っていただく工夫をチームで考えたり、ご家族の負担を軽減するケアプランを立てることも大切です。
やりがいは、利用者様やご家族に何が一番良いかを考え、寄り添った看護ができること。その方らしい生活を送るためのお手伝いに喜びを感じています。急変時に病院のように迅速な対応ができないもどかしさもありますが、職場の雰囲気は良く、先輩方も親身になって接してくださり、困ったことがあればすぐに相談できるので心強いです。子育ての悩みまで気軽に話せる環境も支えになっています。