その人らしい最期を支える看護師
看護師として、もうかれこれ20年ほどになるでしょうか。最初は総合病院の救急で忙しい毎日を送りつつも様々な患者さんと出会い、多くを学ばせていただきました。結婚、出産を機に療養型病院へ移り、患者さんとじっくり関わる時間を持てました。特に終末期の患者さんやご家族に触れる中で「その人らしい最期」について深く考えるようになりました。患者さんが本当に願うのは、住み慣れた家で家族に囲まれて過ごすことなのではと強く感じ始めました。在宅医療は簡単ではありませんが、そのお手伝いがしたいと思っていた頃、このホスピスを知ったのです。
家から近いということもあり、思い切って飛び込んでみました。ここでは病院のように医療設備が整っているわけではありませんが、患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添い、その人らしく生きることを支える理念に惹かれました。医師が常駐していない状況での判断や家族との連携の重要性を痛感しながらも、ここで私の理想とする看護ができると信じています。新しい環境での戸惑いはありますが、日々やりがいを感じています。