岩口 真李瑛 訪問看護 管理者

岩口さんKV3

終末期だからこそ大切にしたい、生きる喜びと尊厳。

岩口さん仕事中

その人らしい最期を支える看護師

看護師として、もうかれこれ20年ほどになるでしょうか。最初は総合病院の救急で忙しい毎日を送りつつも様々な患者さんと出会い、多くを学ばせていただきました。結婚、出産を機に療養型病院へ移り、患者さんとじっくり関わる時間を持てました。特に終末期の患者さんやご家族に触れる中で「その人らしい最期」について深く考えるようになりました。患者さんが本当に願うのは、住み慣れた家で家族に囲まれて過ごすことなのではと強く感じ始めました。在宅医療は簡単ではありませんが、そのお手伝いがしたいと思っていた頃、このホスピスを知ったのです。
家から近いということもあり、思い切って飛び込んでみました。ここでは病院のように医療設備が整っているわけではありませんが、患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添い、その人らしく生きることを支える理念に惹かれました。医師が常駐していない状況での判断や家族との連携の重要性を痛感しながらも、ここで私の理想とする看護ができると信じています。新しい環境での戸惑いはありますが、日々やりがいを感じています。
岩口さんインタビュー

患者様とご家族の想いを胸に

ここでの日々を通して改めて感じるのは、患者様一人ひとりの人生の重みです。急性期病院とは異なり、ここでは患者様のこれまでの人生や大切にされてきたことを尊重し、その人らしい最期を迎えるためのお手伝いをしています。ご家族の想いも様々で、時には葛藤されることもありますが、できる限り本人と家族の意向に沿えるよう、じっくり話し合い、共に時間を重ねていくことが大切だと感じています。
簡単なことばかりではありません。急変時の対応や家族への説明など、責任の重さを感じる場面も多々あります。以前の病院のようにすぐに医師に頼れない状況もありますが、多職種のスタッフと連携し、それぞれの専門性を活かしながら、最善のケアを提供できるよう努めています。管理者を任され、新たな学びも多い毎日です。まだまだ経験不足ですが、スタッフの温かい支えに助けられながら成長していきたいと思います。これからも、患者様やご家族の心に寄り添い、最期までその人らしく生きられるよう、精一杯サポートしていきたいと願っています。